万事塞翁が馬          松尾 倶子

 

 この夏、異常気象の中、皆様はどのようにして暑さを乗り切られましたか?
 私事ですが、8月末から2週間の予定で、ドイツに住む娘夫婦(夫はドイツ人)と孫の芳樹君(8ヶ月)とお義母さんが日本に。特にお義母さんは日本が初めてで、台風・海・畳に非常な興味を示された。福岡を襲った台風の時は、家の中でじっとしていられず、雨の中を傘をささずに散歩に出たり、近くの海岸で2時間近く泳いだり、雨で濁っているはずの海がとてもきれいだったと喜んだり…。
 9月5日、私の親族との顔合わせで福岡一行が東京へ。翌日は、ドイツ人親子2名で英語ガイド付のハトバスで東京観光。しかし、1時帰着の予定が2時になっても戻らない。まさか迷子に?携帯に連絡も入らない。残った日本の15名の面々は、手分けして状況を調べに駆けずり廻るが分からない。営業所では浜松町で下車、案内所は交通渋滞だと言う。イライラがピークに達したころ、ご両人が登場。何とバス会社のミスで2人の名前は乗客名簿になく、他の客をホテルに送る間、バスに缶詰。公衆電話をかけることも出来ずに、最後に残った2人を運転手が気付き、事のてん末が分かった。私達に気づいたお義母さんの第一声「1時間半もの間、タダのオプションで色々なホテルを見せてもらって楽しかったァー」。


 突然のアクシデントを楽しみと捉えるか、悪い方にのみ考えるか、国民性の違いをじかに感じた、出来事でした。
 私達の身の回りにも、今後いろいろな形で予定外のことが、起こることでしょう。それを前向きに捉えるか、否かで方向は変わります。
 チャンスをピンチに変えるのも、自分次第。自分の目・耳・口・足で、しっかり今の状況を知ること、気付くことから、次の1歩を踏み出すコツを見つけていきましょう。

平成16年9月 No2