垣添忠生 講演会「がん患者と家族の思い」

2010.8.1 講演会
2010.8.1 講演会

感謝の言葉に変えて                  

「シリーズ・日本のがん医療を問う」格差をなくすために、NHKスペシャル番組の収録で3年前の12月25日、全国の患者会から福岡の代表として参加した折、はじめて垣添先生とお会いしました。私の斜め前で眉は2時50分、微動たりともしない。何人か当番で与えられた質問には患者サイドに立った答えとはほど遠い。質問者の私たちは消化不良のままNHKを後にしました。その3年後の今年2月、がんで奥様を看取られた、想像だにしない人間味あふれる垣添先生の読売新聞の記事に釘付けになり、今回の講演会の運びになった次第です。
 「カバンの中に、Yシャツとネクタイが入っています。」「先生……、申し訳ありませんが、青葉の会のユニフォームのTシャツを用意しています。YシャツからTシャツに着替えていただけませんか」一瞬無言の先生。じっとTシャツ見ながらなんと快く「わかりました。着替えましょう!」
 8月1日、垣添先生が講演を終えられ休憩時間で、次の座談会にむけて準備している控室で、悩んで悩んで先生にお願いした、ひとこまです。青葉の会設立7周年記念 垣添忠生講演会の第2部、座談会は先生の青葉の会のTシャツ姿で実行委員とお揃いでの登壇となりました。
 例年にない暑さの中、今回の講演会のためにたくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。遠くは長野県、福島・東京・横浜・大阪・岡山・愛媛、宮崎・長崎・大分・熊本・佐賀県と全国各地からお越しいただいた皆様にも感謝申し上げます。また、今年5月発足したばかりの、青葉の会コーラスグループのために、2ヵ月という短期間にもかかわらず、講演会第2部で初披露のコーラスを、懇切丁寧にご指導いただいた古野恂子先生に、あらためてお礼申しあげます。
 この日を迎えるまで、いろいろな形でご支援ご協力をいただいたマスコミ関係の方々、プログラムに広告の形で賛同していただいた皆様、そして実行委員、世話人一人ひとりが一丸となって取り組んでいただいた結果です。本当にありがとうございました。
 第1部、第2部全てが終了し、垣添先生と共に出口で皆様をお見送り致しました。まだまだ先生とお話をしたい方、これだけはお聞きして帰りたい方、後片付けのために残られた実行委員の方、遠方の方で宿泊の方などなど、自然発生的に先生を囲んでの食事会に発展致しました。残られた皆様の声、思いを垣添先生講演会あおば通信臨時特集号としてお届け致します。
 今後も講演会の感想は、受けつけております。臨時号をお読みになってのひとこと、いろいろな事情でお越しいただけなかった方など、ぜひお声をお寄せください。次号のあおば通信(定期)は、10月発行予定です。

“がんになっても安心して暮らせる社会に”との願いのもと、私達「がんを学ぶ青葉の会」は患者と家族の情報交換の場として設立、今年4月設立7周年を迎えました。
 私は、今年2月14日の読売新聞朝刊の一面に掲載された「ケアノート」 “自宅で妻の最期を看取る”に釘付けになりました。がん専門医の最高峰の立場におられる先生が、一人の人間として、生の言葉で語られ、「妻を看取る日」にまとめられたという記事。私自身、胃がんで5ヵ月の命という告知に、現在13年目になりますが、三大医療、特に抗がん剤の処方のあり方を問題視している一人として、また患者会の代表として先生をお訪ねする機会を得ました。
「死ねないから、生きている。」がん専門医が、打ちのめされるという慟哭の日々から立ち直るまでの軌跡を、ぜひ、いま闘っているがん患者と家族の方に直に聞いていただきたいという思いで、同じ目線で語っていだける先生の快諾を得ました。
当日は先生への質問もお受けします。ぜひご来場され、1人でも多くの方に希望と勇気をお持ち帰りいただけたら幸いです。

                        青葉の会代表 松尾倶子

日 時 8月1日(日) 開場12:30  開演13:00~15:30

会 場 よみうりプラザ 読売新聞西部本社1F
    福岡市中央区赤坂1-16-5 地下鉄赤坂駅すぐ
前売り 2,000円 当日 2,500円